ガソリン暫定税率と足立区
平成20年3月末で期限切れとなった「ガソリン暫定税率」の足立区民に与える影響について、地方政治を担うものとして述べておきたい。
私も足立区で生まれ生活をしている。そして地元である足立区北西部は、同じく3月に開通となった「日暮里・舎人ライナー」ができるまでは自動車がないとなにかと不便で、ガソリンが安くなることは歓迎だ。
しかし、である。3年前(平成17年)の同じく3月に東武伊勢崎線竹の塚駅南側の通称大踏切でおきた悲劇を繰り返したくないと、地域が思い出さずにはいられない。
東武伊勢崎線は多くの足立区民の大動脈で沿線は続々と高架化された。竹の塚駅は取り残された。古くから立体交差の計画が浮かんでは消え、「エミエルタワー」により西口の再開発が始まっても状況は変わらず、日暮里・舎人ライナーの着工前と同様「幻の悲願」として都市伝説のようになっていた。
多くを語ることは控えておきたい。しかし、悲劇を繰り返さないと、地域が、企業が、国が、動いた。
そして暫定税率廃止により現実的な危機を迎える。平成20年度は8000万円の調査費の内、国や都からの補助として半分の4000万円を見越していた。補助の原資は「ガソリン暫定税率」だ。
都市整備事業は今年度だけの話ではない。竹の塚踏切立体事業の総額は500億円、そのうち足立区負担は107億円、そのうち「道路整備に使うための税金=ガソリン暫定税率」として補助が期待されていたのは、その50%の「53億円」なのだ。
「25円ガソリンが安くなりました」というのは簡単な話だ。一方、竹の塚駅の東口と西口、西側と東側の区民が「待ち時間なく移動できる経済効果」の理解を得るのは難しい。だが、それも政治の仕事だ。いや、それこそが政治の仕事だと考える。
税収とは国家や自治体の収入、語弊を恐れずに言えば「給料」だ。
無駄遣いを諫めることは当然のことだし、理屈の通らない手当は貰うべきではない。しかし、「財源」を区民に示さずに、「ガソリンは下げます、公共事業は継続します」という言葉に、ぴったりの諺(ことわざ)を用意するなら「取らぬ狸の皮算用」ではないだろうか。
都市整備が完了している都心区と違い、足立区は東の「つくばエクスプレス」、西の「日暮里・舎人ライナー」、都市計画に基づいた補助道路が数多く存在する。暫定税率廃止が長期化すれば、着工中のものは中断・遅れが懸念され、未着工分は無期延期もあるかもしれない。
果たして永田町という国政の場において、真の意味での「国民生活」は話し合われているのであろうか。
人気取りで「政治」を左右し、区民生活を愚弄するような真似だけは厳に謹んで貰いたいと願う。足立区民の代表として付託された区議会議員として。
平成20年4月1日 足立区議会議員 ばば信男
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